「姜汁熱窩鶏(鶏のピリ辛生姜ソース煮)」の味付けは姜汁味型(生姜の香りと辛味を活かして酢と併せる)で、四川料理24の味付けの1つです。「姜汁」は冷菜と熱菜でよく使われる味付けで、例えば冷菜であれば姜汁菠菜(ほうれん草の生姜ソースがけ)、姜汁豇豆(十六ササゲの生姜ソース掛け)などが代表的な料理です。他にも辣油を入れて辛くした味付けもあります。
「熱窩」は四川の方言で熱いという意味。この料理は熱菜の代表的な1つで「家常姜汁熱窩鶏」とも呼ばれます。「家常」は家庭に常備されている調味料を使って作る味付けのことで、決まった味はないのですが、この料理の場合、豆板醤や泡辣椒(唐辛子の四川風漬け物)、生姜を炒めて煮込みます。黒酢をたっぷり使うのが特徴で、さっぱりと仕上がります。
因みに黒酢は「中国四大酢」として四川省の保寧醋、福建省の永春老醋、山西省の老陣醋、江蘇省の鎮江香醋が有名で、四川省では保寧醋もしくは老陣醋がよく使われています。保寧は閬中の昔の呼び名で、三国時代の武将「張飛」が7年に渡り守り続けた場所としても知られ、観光地としても人気を博しています。
伝統四川料理を今に伝える成都・松雲門派の正統な継承者であるシェフ井桁良樹が日本人が知らない本当の四川料理を提供します。この記事を見て飄香に興味を持った方は、以下のコンテンツでより詳しく私たちについてご覧いただけます。