1940年代の四川省では3度目の移民政策が行われ、省都・成都の経済は、歴史上最大の発展を遂げました。それは、料理も例外ではありませんでした。成都へと移り住んだ公館の主人により、中国四大料理の有名料理人が呼び寄せられ、四川料理は大きく躍進したのです。
当時発展した料理の多くは、文化人や公館の主人の創意によって作られたとされていますが、「参杞醪糟紅焼肉」もその1つ。この料理は、豚の角煮を「醪糟(四川の甘酒)」と一緒に入れて、さらに多めの氷砂糖と高麗人参とクコの実を加え、甘めに仕上げたものです。
日本人にとって四川料理といえば、香辛料をふんだんに使った辛い料理というイメージがありますが、実は、砂糖を多く使った甘めの料理も多く存在します。例えば、豚スネ肉を氷砂糖で煮た「冰糖肘子」や、豚バラ肉をサクランボに見立て甘く煮込んだ「桜桃肉」などはその一つです。これらは主に宴会料理で出されています。
甘い四川料理を食べると、一筋縄ではいかないその奥深さを窺い知ることができるでしょう。
伝統四川料理を今に伝える成都・松雲門派の正統な継承者であるシェフ井桁良樹が日本人が知らない本当の四川料理を提供します。この記事を見て飄香に興味を持った方は、以下のコンテンツでより詳しく私たちについてご覧いただけます。