四川名菜の前菜の一つとして、醤酥桃仁と呼ばれる、甜面醤(甘味噌)を使用したクルミの四川甘味噌飴炊きがあります。砂糖を煮詰めて甜面醤を加え、揚げたクルミに絡めたものです。冷めるとカリカリの食感があり、甜面醤のコクと甘味で手がとまりません。
「中華甘みそ」などとも呼ばれる甜面醤は、中華料理で使われる代表的な調味料の一つです。伝統四川料理の「24の味付け」においても、「醤香味」と呼ばれる甜面醤を使用した味付けが存在します。以下の料理は、甜面醤を使用した代表的な四川料理です。
上記以外にも、日本人にもお馴染みの回鍋肉や麻婆豆腐の肉味噌にも、甜面醤は使われています。
実は、甜面醤で有名なのは四川料理ではなく、北京料理です。北京ダックを食する時の味噌としても甜面醤は使用されており、京醤(北京味噌)と呼ばれることもあります。おそらく、北京の皇帝料理人が四川省に伝えたのだと考えられます。
中国の甜面醤は、小麦粉と塩、麴で作られています(甜面醤の面は小麦粉のこと)。日本の味噌とは製法が異なっており、本来は日本では手に入らないものです。そのため、日本の中華料理店では、自家製の八丁味噌や桜味噌を少し加えて、甜面醤風味の味付けを作り出しています。
四川省では、塩気と発酵の香りが強い甜面醤が使われています。飄香は桜味噌をベースに、四川省で仕入れた甜面醤を少し混ぜて、甜面醤風の味付けの料理を作っています。
伝統四川料理を今に伝える成都・松雲門派の正統な継承者であるシェフ井桁良樹が日本人が知らない本当の四川料理を提供します。この記事を見て飄香に興味を持った方は、以下のコンテンツでより詳しく私たちについてご覧いただけます。